こんにちは、工具おたです。現役の引っ越し作業員として、現場で家具の解体と組み立てをしています。
引っ越しの現場の責任者になってから、このTD022Dをずっと使っていて、もう9年ほどになります。
この記事では、わたしが引っ越しの現場で使っているマキタのペン型インパクトドライバ「TD022D」について、実際に使ってわかった良いところと、気をつけていることを紹介します。
- ベッドや机をバラすのに電動ドライバーは必要?
- TD022Dは家具の解体・組み立てに使える?
- 電動と手回しのドライバーはどう使い分ければいい?
こんな疑問がある人の参考になればうれしいです。
この記事の結論
- ロフトベッドや跳ね上げ式ベッドなど、ネジが多い家具ほど作業スピードがだいぶ変わる
- 勢いよく回るので、ネジの長さを間違えると天板を突き破ることがある
- ストレートで約28cmあるので狭いところには不向き。ネジが1〜2本なら手回しで十分
- 勢いでネジ頭をなめることもあるので、最初は手回し、ネジの奥へぐっと押しながら回すのがコツ
- 音がそれなりに出るので、赤ちゃんや犬がいる家、夜の作業では気をつかう
マキタ TD022Dはどんな工具?
TD022Dは、マキタの7.2Vのペン型インパクトドライバです。本体を折り曲げて、まっすぐな「ストレート」と、銃のような「ピストル」の2つの形で使えるのが特長です。


わたしが現場で使っているTD022D(左:ストレート、右:ピストル)
スペック
| 電圧 | 7.2V |
|---|---|
| 最大締付けトルク | 25N・m |
| 回転数 | 0〜2,450回/分 |
| 打撃数 | 0〜3,000回/分 |
| 重さ | 約550g(バッテリ込み) |
| 長さ | ストレート時 282mm/ピストル時 227mm |
| 1充電あたりの作業量の目安 | 木ネジ 約320本 |
| その他 | LEDライト付き、手締め機能付き |
セットの選び方(型番の違い)
TD022Dは、バッテリなどが付いたセットと、本体だけのものがあります。型番で見分けられます。
| 型番 | 中身 | 向いている人 |
|---|---|---|
| TD022DSHX (後ろの文字は色) |
本体、バッテリ(BL0715)2個、充電器(DC07SB)、ケース、+ビット | はじめてマキタの7.2Vを買う人 |
| TD022DZ (後ろの文字は色) |
本体のみ(バッテリ・充電器は別売り) | 7.2Vのバッテリと充電器をすでに持っている人 |
※スペックとセット内容は、メーカー公表の仕様と販売店の商品情報をもとにしています。色は黒・白・青・オリーブなどがあります。
引っ越しの現場でTD022Dを使っている家具
わたしが現場でTD022Dを使うのは、主にこんな家具です。
| 家具 | ネジの本数 |
|---|---|
| ロフトベッド | 多い |
| 跳ね上げ式ベッド | 多い |
| ベッド・二段ベッド | 多い |
| 食卓テーブル | ― |
| 机 | ―(天板と脚をつけるときはネジの長さに注意) |
ベッドは本当にネジが多いです。特にロフトベッドや跳ね上げ式ベッドは多いので、手回しのドライバーだけでバラすのと比べると、作業スピードがだいぶ変わります。
使ってよかったところ
作業スピードがだいぶ速くなる
いちばんのメリットはこれです。ネジを1本ずつ手で回す時間がなくなるので、ネジの多い家具ほど差が出ます。
時間を計ったことはありませんが、ネジの多いベッドなら、手回しと比べて10分以上は変わっていると思います。
ピストル型にすると持ちやすい
TD022Dはストレートとピストルの2つの形に変えられますが、わたしはピストル型にして使っています。ピストル型のほうが持ちやすいからです。
バッテリの持ちが良い
わたしの使い方だと、充電は1〜2ヶ月に1回くらいです。予備のバッテリも持っているので、もし現場で電池がなくなっても入れ替えるだけで済みます。
困ったところ・気をつけていること
勢いよく回るので、ネジの長さを間違えると天板を突き破る
TD022Dはかなり勢いよく「バーッ」とネジが入っていきます。そのため、ネジの長さを間違えると大変なことになります。
たとえば、机の天板に脚をつけるときに、短いネジを入れる場所に長いネジを入れてしまうと、ネジが天板を突き破って、天板の表がもっこり盛り上がってしまいます。
○ 正しい長さのネジ
ネジが天板の中で止まり、表はきれいなまま
× 長すぎるネジ
ネジが天板を突き抜けそうになり、表がもっこり盛り上がる
電動だと一気に入ってしまうので、間違いに気づいたときには遅いことがあります。防ぐには、解体したときに長さの違うネジを場所ごとに分けておくと安心です。
勢いでネジ頭をなめてしまうことがある
勢いよく回るぶん、ネジ頭をなめて(つぶして)しまったこともあります。そうなるとドライバーでは回せないので、ネジザウルスなどでつかんで回すしかありません。
なめないためには、次のように回すのがおすすめです。
STEP1
最初は手回しでネジを回し始める
STEP2
ドライバーをネジの奥へぐっと押しつける
STEP3
押したまま電動で回す
「最初は手回し、そのあと電動」と考えておくと失敗しにくいです。
狭いところには向かない
ペン型でスリムに見えますが、ストレートの形だと長さが28cmほどあります。家具のすき間や奥まったところなど、狭い場所では本体が入らず使えません。
そういうときは、やっぱり短いドライバーに持ち替えないと作業できません。
少しだけ斜めなら届く所では、ボールポイントの六角ビットや首振りホルダーを付けて回すこともあります。くわしくはボールポイント六角ビットと首振りホルダーのレビューで紹介しています。
音が気になる場面がある
インパクトドライバなので、回すときにそれなりの音が出ます(メーカー公表の騒音値は85dB)。現場では、こんなときに気をつかいます。
- 赤ちゃんがいる家庭
- 音に反応して吠えてしまう犬がいる家庭
- 夜の時間帯の引っ越し
手回しドライバーとの使い分け
わたしは、電動と手回しをこんなふうに使い分けています。
ドライバー
入らない狭い場所?
ドライバー
| 電動(TD022D) | ベッドなどネジの本数が多いとき。狭くなくて、普通にバラせる場所。 |
|---|---|
| 手回しドライバー | ネジが1〜2本しかないとき(洗濯機のアースをつけるときなど)。狭くて電動が入らないところ。 |
なお、ネジ頭をつぶしてしまって回らなくなったときは、ネジザウルスの出番です。使い方はネジザウルスの使い方を実際の写真で紹介した記事で解説しています。
ペン型ドリルドライバ「DF012D」との違い
マキタには、見た目がよく似た「DF012D」というペン型のドリルドライバもあります。メーカー公表の仕様をもとに違いをまとめました。
| TD022D (インパクトドライバ) |
DF012D (ドリルドライバ) |
|
|---|---|---|
| 最大締付けトルク | 25N・m | 8N・m |
| 締めすぎを防ぐクラッチ | なし | あり(21段) |
| 締め方 | 回転に打撃を加えて強く締める | 設定した強さで止まる |
| 音 | 大きめ | 比較的静か |
| 形 | どちらもストレート/ピストルの2つの形に変えられる | |
TD022Dはパワーがあるぶん、締めすぎを自動で止める仕組み(クラッチ)がありません。ネジの長さを間違えたときに天板を突き破ってしまうのも、この勢いがあるからです。
ほかの人の口コミ・評判
わたしの体験だけでなく、価格比較サイトなどに投稿されている口コミも確認しました。多かった声をまとめます(ここはわたし自身の体験ではありません)。
| 良い口コミ | 軽くてコンパクト/ストレートとピストルの両方で使える/正転・逆転の切り替えがわかりやすい/先端のLEDライトが便利/バッテリ2個付きのセットはコスパが良い |
|---|---|
| 気になる口コミ | 7.2Vなので硬い木材などにはパワー不足/スイッチの効きが急で加減が難しく、小さいネジを締めすぎてしまうことがある/ライトはスイッチを押している間しかつかない |
「スイッチの加減が難しく締めすぎてしまう」という声は、天板を突き破ってしまう話やネジ頭をなめてしまう話と同じで、勢いよく回るからこそ起きることだと思います。
よくある質問
Q. バッテリの充電時間は?
セットに付いているバッテリ(BL0715)と充電器(DC07SB)で、約30分です(販売店の商品情報より)。
Q. 1回の充電でどれくらい使える?
メーカー公表の目安は、木ネジで約320本です。わたしの使い方では、充電は1〜2ヶ月に1回くらいで、予備のバッテリも持ち歩いています。
Q. 電動で締めたあと、手で締めることはできる?
できます。TD022Dには手締め機能が付いていて、仕上げに手で追い締めできます。
TD022Dをおすすめする人
- ロフトベッドや跳ね上げ式ベッドなど、ネジの多い家具をバラしたり組み立てたりする機会がある人
- 作業スピードを上げたい人
逆に、ネジを1〜2本回すくらいしか使わない人や、狭い場所の作業が多い人は、手回しのドライバーで十分かもしれません。
まとめ
マキタのペン型インパクトドライバTD022Dは、ネジの多い家具の解体・組み立てで作業スピードがだいぶ上がる工具です。引っ越しの現場では、あるとないとでだいぶ違います。
ただし、勢いよく回るのでネジの長さの間違いには要注意です。狭い場所や、音が気になる場面では手回しのドライバーと使い分けるのがおすすめです。